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朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/27 08:36
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/27/2013102700133.html
【コラム】2013年の韓国経済危機
2013年の韓国経済はもう一つの危機を迎えている。
企業グループの隊列に加わっている大企業が次々と破綻していることだ。
熊津、STX、東洋の各グループが相次いで法定管理(会社更生法適用に相当)下に入り、サラリーマンの中で伝説の起業家だったパク・ビョンヨプ副会長が率いる携帯電話端末メーカー、パンテックも赤字に耐えられず、リストラを開始した。
他の大企業も続々とアウトを宣告されるのではないかとのうわさは絶えない。
こうした「破綻ドミノ」は1997年のアジア通貨危機当時にも経験している。
当時は韓宝鉄鋼、三美、真露、大農、起亜、ヘテなどが破綻し、同年末に韓国は国際通貨基金(IMF)に屈辱的な救済融資を申請した。
しかし、現在は多くの企業が破綻しても、韓国が再び通貨危機のような事態を経験することはないと考える人が少なくないようだ。
外貨準備も潤沢にあり、経常収支も黒字だからだ。
しかし、そうしたマクロの安全装置は国家のデフォルト(債務不履行)を防ぐことはできても、国際舞台での韓国企業の没落を防ぐことはできない。
97年の企業破綻が、成長時代に酔った大企業が巨額の借り入れや放漫経営を行ったせいだとすれば、今年進んでいる大企業の没落は、世界市場で競争力を失った企業が白旗を上げている状況と言える。
STXとパンテックはそれぞれ造船、携帯電話の分野で中国の安値攻勢に持ちこたえられなかった。
熊津と東洋はグローバル市場でビジネスモデルを見つけられず、国内の過当競争業種に参入して失敗したケースだ。
利益が上がらないから借金が増え、コマーシャル・ペーパー(CP)の発行などで調達した資金を債務返済に充てていたが、結局はお手上げとなってしまった。
経済専門家の中には、現在の状況が通貨危機当時よりも深刻だと指摘する意見が少なくない。
通貨危機当時には存在しなかった中国の不確実性が現となったためだ。
通貨危機直後は、中国企業がまだ国際舞台に本格的には登場しておらず、韓国企業は急速に回復することができた。
しかし、現在はものすごい勢いで追い上げる中国企業に押され、韓国企業は至る所で頓挫している。
サムスンのように、中国よりも何枚の上の企業は生き残り、巨額の利益を上げることができるだろうが、中国に差を付けられない企業は、中国の安値攻勢にさらされ、生存を脅かされている。
漠然とした中国の不安感がついに現実として目の前に現れた格好だ。
中国の攻撃を受けた企業のうち、
弱い企業が脱落しつつあるのが今年の韓国経済の現実だ。
米国の出口戦略の影響で、新興市場から引き揚げられた資金が韓国に流入し、外国人による株式の買い越し記録を塗り替え、株価が上昇しているが、外国人が買い付ける銘柄は世界的企業数社に限られている。
「韓国買い」の恩恵に浴しているはずの韓国のファンドマネジャーは慎重な立場だ。
サムスン、現代自動車など数社を除き、
残る企業グループが将来的に生き残れるのか疑わしいからだ。
企業の栄枯盛衰は資本主義の自然法則だが、
韓国は老い衰えた企業に代わる新興グローバル企業を育成できないままで危機を迎えている。
「経済民主化」「創造経済」というスローガンを頻繁に耳にするが、差し迫った危機意識はない。
猛烈に追い上げる中国企業に追い付かれる韓国企業が没落している現実を直視できずにいると言える。
国は破綻していないが、現在こそ危機だと認識すべきだ。
崖っぷちに立った気持ちで規制を緩和し、ビジネス環境を国際化し、新たな企業を育て、既存企業の活路を切り開かなければならない。
さもないと、サムスンなど生き残った企業に入ろうとする若者たちの悲しい行列が長くなる一方だ。
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/27 08:35
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/27/2013102700132.html
【コラム】サムスンの半導体神話と東洋グループの倒産
1983年8月、サムスン電子の若手社員が、技術を学ぶため、同僚と共に米国カリフォルニア州サンノゼに出張した。
当時、米国の半導体技術者たちは世界最高レベルではなかっただろう。
米国の技術者たちは韓国人の研究員たちを「ケン」と呼んだ。
「コリアン」を短縮したとのことだったが「カントン(頭が空っぽの意)」と言われているかのような印象も拭えなかった。
当時、韓国の研究員たちは、米国の研究員たちが退勤した午後6時に研究室に入り、翌朝8時に米国の研究員たちが出勤するまで働いた。
泊まる場所も確保できず、勤務先の正門前に止めたキャンピングカーの中で休んだ。
このときの若手社員が、現在サムスン・ディスプレーの社長を務めるキム・ギナム氏だ。
10年ほど前、キム社長と会って取材したときの手帳には、以下のようなエピソードがつづられていた。
「(半導体の技術開発を進めていて)特に1984年から86年までの間は本当に大変だった。
金が稼げず、開発も思い通りには進まなかった。
会議は毎日午後11時まで続いた。
(半導体工場のある京畿道竜仁市)器興はすごい田舎だった。
まだ一般市民が自家用車を持っていない時代だった。
仕事が終わる時間があまりにも遅かったため、毎晩会社が車を用意してくれた。
社員たちは2台のバスに分乗した。交通事故が起こっても、全員が大変な目に遭うようなことはあってはならなかった。
われわれは何としても半導体を成功させなければならなかったからだ」
こうして始まったサムスン半導体は1993年、64 メガバイトのDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)を世界で初めて作り出した。
その後、半導体業界で「世界初」の座を独占し、最も創造的な企業となった。
キム社長に
「なぜサムスン電子が成功したと思うか」
と尋ねたところ、このような答えが返ってきた。
「会議を見れば分かる。
専務から係長までが一堂に会する。
何か言えば、誰もが反論する。決してためらうことはない。
誰にも発言権がある。
これはわれわれが全く経験のなかったもの(半導体)を一から作り上げる中で自然に生まれた文化だ。
未知の分野に早く取り組むためには、最もよく知る人、最も正確な知識を持つ人が重要だということを体得したのだ。
技術を選択する際、A・B・Cの中から長所と短所を探り、討論を重ね、実行に移す際には素早い動きを見せた。
Aを選択するに当たり、BやCを放棄することで生じるコストについても検討した。
何かを間違えたためだけでなく、何かをしなかったために生じる損失まで検討したというわけだ。
また、サムスンでは技術者や研究員だけでなく、マネージャーも一緒に苦悩し、意思決定の役割を担った。
エンジニアたちだけで物事を決定すれば、むしろ能率が下がるケースが多かった」
最近、熊津やSTX、東洋の各グループが相次いで倒産した。
ある金融関係者は、この3グループがつまづいた共通の理由について
「新たな分野を探し出し、国際的な競争に乗り出すのではなく、4大財閥(サムスン、現代自動車、SK、LG)が行ってきた事業(建設、保険、造船など)に進出して失敗した」
と話した。
30年前に半導体神話が誕生した過程を振り返って見ると、韓国企業がダイナミックさを失ってきているのではないかと思える。
新たな挑戦は大げさなスローガンにすぎず、結局「金もうけになる事業」ばかりに熱中し、自らの首を絞める結果につながっているようだ。
「創造」という言葉が恐ろしい意味を持つ単語と化してしまっているのだ。
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/27 08:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/27/2013102700130.html
【記者手帳】東洋グループ事態、国民の金で解決するのか
ソウル・汝矣島の金融監督院ビルの前には「東洋の事態に対する特別法を制定せよ」と書かれた横断幕が掲げられている。
これから会社更生手続き(法定管理)が進められる中堅財閥・東洋グループの系列会社が発行したコマーシャルペーパー(CP)と社債に投資し、投資金を失う危機にさらされた「被害者」らが掲げたものだ。
被害者らは、国が特別法を制定し、東洋グループの代わりに政府が投資元金の払い戻しに責任を負うべきだと主張している。
だが「東洋特別法」の制定は現実的に難しいというのが多くの専門家の意見だ。
まず、被害補償のために特別法を制定すれば遡及(そきゅう)立法(法制定前にさかのぼって適用できるよう法を制定すること)に当たり、法治主義の根幹が揺るぎかねない。
また、こうしたことで特別法が制定されれば、後に同様の事態が発生したときに再び特別法の制定を求める声が出るだろう。
2011年、貯蓄銀行に対する営業停止処分が相次いだときも、選挙を前に政界が「貯蓄銀行特別法」の制定を推進したが、こうした問題のため世論の批判にさらされ、最終的に撤回した。
仮に法が制定されるとしても、根本的な問題が残る。
東洋のCPと社債に投資していない一般国民が、今回の事態で生じた1兆7000億ウォン(約1575億円)余りの被害額の一部を負担することになるという問題だ。
金融当局の関係者は「補償の財源として真っ先に考えられるのは銀行の預金者や保険加入者、金融投資家らが少しずつ支払った『預金保険料』だろうが、この金をそうした用途に使えばほかの投資家らの財産権を侵害することになる」と指摘する。
少ない利子で我慢して財産を安全に管理している人たちが、高金利を狙って損をした人たちの損失を代わりに被ることになるというわけだ。
被害者らは自らを「金融詐欺の被害者」だと主張しているが、東洋のCPと社債に投資した人のうち、2回以上投資したケースが58%に達する。
10人に6人ほどが、高収益を享受した後にまた投資したということだ。
金融当局の関係者は
「株に投資して損をした人が国に補償を求めることはないはずだ。
どうして債券だけが特恵を受けなければならないのか、根拠を見つけ難い」
と話している。
今回の事態は、最終的に政府ではなく金融会社と投資家が解決すべき問題だ。
東洋証券は、不完全販売(基本内容や投資リスクなどの説明なしに金融商品を販売すること)が立証されれば被害額に対し相応の責任を負うべきだ。
東洋パワー、東洋証券など負債よりも資産が多い系列会社の売却が実現すれば、被害額の補償を受けられる可能性は残っている。
被害者らのもどかしい気持ちは理解できるが、投資の責任は一次的に自分にあるということを忘れないでいることが、より成熟した投資家の姿勢だと思う。
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サーチナニュース 2013/10/28(月) 15:10
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=1028&f=national_1028_042.shtml
3大企業が揺れると韓国も揺れる…純利益は韓国企業全体の3割
韓国企業が2012年に上げた純利益のうち、サムスン電子、現代自動車、起亜自動車の3社が3割を占めることが分かった。
09年と比較すると2倍近く増加した。
複数の韓国メディアが28日、報じた。
韓国銀行(中央銀行)が国税庁の資料などを集計した結果、12年の3社の当期純利益(単体決算書ベース)は計24兆8000億ウォンであることが明らかとなった。
同期間に3社を含む韓国企業46万4425社の純利益は86兆6000億ウォン。
3社だけで全体の3割にあたる28.6%を占めていた。
3社の韓国企業全体の純利益に対する割合は、09年の14.0%から、10年は16.2%、11年は18.9%と年々増加。
サムスンは今年第3四半期の営業利益が10兆ウォンの過去最高を記録しており、13年は3社の割合がさらに拡大するとみられている。
12年の韓国企業全体の当期純利益は、米国の金融危機や欧州の財政危機などの影響により、10年(111兆7000億ウォン)よりも22.4%減少した。
しかし、3社を除くと、12年の当期純利益は61兆8000億ウォンとなり、10年(93兆5000億ウォン)よりも33.9%減少。
一部の大企業だけが業績を上げていることが分かる。
韓国メディアによると、漢城大学貿易学科の金商祖(キム・サンジョ)教授は、
「1994年-1995年にもサムスンが実績を上げて独走し、経済が上向いたかのような錯覚を与えたが、韓国は金融危機に陥った」
と一部の大企業に依存する韓国経済の構造を憂慮した。
国民経済諮問会議支援団の兪炳圭(ユ・ビョンギュ)団長は、
3社が揺れると韓国経済全体も揺れると指摘し、3社のような企業をさらに輩出する必要があると論じた。
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朝鮮日報 記事入力 : 2013/10/31 09:03
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/10/31/2013103100641.html
「韓国は規制緩和で強い中小企業育成を」
欧州シンクタンクの所長が指摘
ブリュッセルを拠点とするシンクタンク、ブリューゲルのグントラム・ボルフ所長は30日、本紙のインタビューに応じ、
「韓国は革新的な人材を育成する教育システムを持つべきだ。
今の韓国は岐路に立っている。
意性を培うことができるように教育システムを改革しなければ、新たな躍進はできない」
と指摘した。
ブリューゲルは欧州中央銀行(ECB)のジャン・クロード・トリシェ元総裁が理事長会長を務め、欧州を代表する経済シンクタンクとして知られる。
ボルフ所長はドイツ連邦銀行のエコノミスト、国際通貨基金(IMF)の諮問官を歴任した欧州経済の専門家で、韓国の世界経済研究院が開院20周年を記念して開く国際会議に出席するため韓国を訪れた。
ボルフ所長は自分が使用しているサムスンのスマートフォンを取り出し、
「(サムスンのような)韓国の大企業の成功は世界的に深い印象を与えたが、今は規制を思い切ってなくし、新たな市場で競争する中小企業を育成すべき時期だ」
とアドバイスした。
その上で、強い中小企業の育成は教育システムの改革と密接に結び付いていると指摘した。
「ドイツでは学校を卒業した若者が従業員数200-300人規模の中小企業で2-3年パートタイムで働き、集中的な職業教育を受ける。
そんな若者が自負心を持って働くことで、企業の競争力が高まっており、ドイツ経済がうまくいっている。
韓国も参考可能だと思う」
ボルフ所長は韓国の急速な高齢化と関連し、人口の高齢化と増大する福祉需要に対応するためには、定年を引き上げ、60代、70代まで働くことができる制度を整備することが急がれると指摘した。
来年の世界経済について、ボルフ所長は
「米国が量的緩和縮小をいつ実施するかにかかっている。
米国は危機を克服するリーダーシップを見せるとみられるが、ワシントンの政界がこう着状態に陥り、世界的に大規模な危機が訪れる可能性を1%程度は排除できない」
と述べた。
中国経済については、
「来年は7.5%前後の経済成長率を達成できるが、
徐々に成長が鈍り、5-10年後には成長率が4%台に落ち込む」
とするやや悲観的な見方を示した。
ボルフ所長はまた、
「金融システムが壊れやすい上、環境汚染を減らすべきだとする国際社会の要求を受け、
環境規制が強化されれば、それだけ投資が減少することになる。
それが中国政府にとっての悩みだ」
と指摘した。
ボルフ所長は日本について、
「国民が自信感と政府に対する信頼を失い、新たな政策が求められる時期にアベノミクスが登場し、ムードを一新する効果を生んだ点には注目すべきだ」
と述べる一方、
「市中に資金を供給し、円が対ユーロで30%下落したおかげで、輸出が好調を示しているが、結局は米国などライバル国によるけん制で円相場が上昇し、苦戦する可能性が高い」
と予測した。
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