2013年11月8日金曜日

韓国のカントリーリスク高まる:日本企業が韓国に保有する株式などが差し押さえ

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/11/08 09:39
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/08/2013110800846.html

「徴用被害者への賠償判決、韓国のカントリーリスク高まる」
日本の経済界が懸念、国際訴訟も念頭に
日本企業が韓国に保有する株式などが差し押さえられる可能性も

 日本経済団体連合会(経団連)など日本の四つの経済団体が今月6日、韓国の裁判所による強制徴用被害者への賠償を命じる判決について
 「日韓両国の経済関係を損なう恐れがある」
と警告を発したことで、
 この問題が両国間の最大の争点として浮上した。
 これまで、歴史認識などをめぐる政治・外交面での対立が生じても、経済関係には波及させないという「政経分離の原則」が暗黙の了解となってきた。
 だが今回は、当事者が日本企業という点で大きな違いがある。

 日本の経済団体による共同声明は事実上、各企業に対し、個別の賠償には応じず共同歩調を取るよう求めるという意味もある。
 西松建設は2010年、第2次世界大戦中に新潟県へ連れていかれた中国人の徴用被害者183人に対し、1億2800万円もの賠償金を支払った。
 日本の裁判所では「賠償責任はない」との判決を受けたが、同社は和解という観点から、個別の賠償金を支払ったのだ。
 強制徴用に関与した日本企業は300社ほどに上ると推定されているが、ほかの企業は当時、西松建設に対し批判的だった。

 日本政府と経済界は、個人への賠償を認めた場合、韓国はもとより中国、東南アジアに対する「戦後賠償」の枠組みそのものが壊れかねない、と懸念している。

 日本メディアも、徴用被害者への賠償問題によって、韓国に対する投資が縮小しかねない、と警告している。
 日本経済新聞は
 「元徴用工への賠償を命じる判決は、韓国のカントリーリスク(相手国の政治・経済・社会環境の変化のために、個別の事業相手が持つ商業リスクとは無関係に収益を損なう危険の度合い)を高める恐れがある」
と主張している。
 同紙は
 「1965年の日韓請求権協定により、元徴用工への賠償問題は最終的かつ完全に解決したにもかかわらず、
今になって反日ムードに便乗した判決が出るようでは、韓国は信用できないという認識が広がり、投資ができなくなる」
との論理を掲げ批判した。
 新日鉄住金の宗岡正二会長兼最高経営責任者(CEO)も、同紙とのインタビューで
 「法的な根拠のない支出をすることで、株主代表訴訟を起こされかねない
と主張した。

  強制徴用被害者への賠償を命じる判決は、事実上確定したといってよい。
 今年7月、ソウル高裁と釜山高裁が新日鉄住金と三菱重工業に対し、徴用被害者への賠償を命じる判決を下したほか、今月1日には光州地裁が三菱重工業に対し、勤労挺身(ていしん)隊被害者への賠償を命じる判決を言い渡した。
 被告の企業は上告している。
 だが、大法院(最高裁判所に相当)は昨年、個人への請求権が有効だという趣旨で審理を差し戻しているため、今年末に予想される判決では個人への賠償を認めるとみられる。

 日本政府と経済界では、判決が確定した場合に備えるムードが広がっている。
 ポスコの株式を保有している新日鉄住金の場合、賠償に応じなければ、株式や配当金を差し押さえられる可能性がある。
 日本経済新聞は
 「日韓投資協定に基づき、国際仲裁機関に仲裁を申請するなどの方法がある」
と報じた。
 また、韓日請求権協定に違反しているとして、韓日仲裁委員会への付託や、国際司法裁判所への提訴などにつながる可能性もある。



聨合ニュース 2013年 11月 08日(金)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2013/11/07/0400000000AJP20131107002300882.HTML

戦時徴用問題 韓日の外交・経済関係に大きな影

【東京聯合ニュース】
 定められた結論に向けて時計の針は進んでいるが、解決策は一向に見えない。
 韓日関係の新たな火種に浮上した戦時徴用賠償問題だ。

 韓国政府によると、徴用に関与した日本企業は約300社に上るとされ、賠償問題は両国の外交だけでなく経済関係にも大きな影を落とすとみられる。

 今年7月、ソウル高裁と釜山高裁がそれぞれ新日鉄住金と三菱重工業に対し、戦時中に日本へ強制徴用された韓国人被害者への賠償を命じる判決を出したのに続き、今月1日には光州地裁が三菱重工に対し徴用された元朝鮮女子勤労挺身隊の女性らへの賠償を命じた。

 まだ大法院(最高裁)の判決が残っているが、大法院は昨年5月、日本企業に対する韓国での請求権は消滅していないとする判断を示しており、企業側が勝訴する可能性は低いとみられている。

 日本企業側が素直に判決を受け入れることは期待し難い。
 経団連など日本の経済3団体と日本企業を中心につくる日韓経済協会は6日、共同で発表した声明で、韓国の裁判所による賠償判決は両国の経済関係を損ないかねないと懸念を示し、この問題について日本政府と共同戦線を張る姿勢を示唆した。

 産経新聞は8月に新日鉄住金が、敗訴判決が確定した場合には賠償に応じる意向を示したと報じたが、直後に岸田文雄外相が賠償問題は韓日請求権協定で解決済みだとあらためて強調し、同社と連絡を取り合い対処する方針を示した。

 さらに、日本の保守系メディアは韓国裁判所の判決を、反韓世論を煽る材料として活用している。
 権威主義時代の1965年に結ばれた韓日請求権協定によりうずもれた個人の権利が、民主化を経て2010年代に新たに認識されるようになった、などと判決の背景を紹介するリベラル派のメディアもあるが、大半は懸念と批判一色だ。

 賠償問題に対する韓国政府の立場はややあいまいだ。
 韓国はこれまで、韓国人被爆者、慰安婦、サハリン残留韓国人の問題は韓日請求権協定の対象外としてきた一方、強制徴用の賠償問題は協定で解決済みとの姿勢を示してきた。
 外交部は現在のところ「裁判の行方を見守るべきだ」として具体的な立場を示していない。

 このまま大法院で賠償判決が確定し、日本企業がこれに応じなければ、両国間の外交的衝突は避けられない見通しだ。
 韓国側は法にのっとり被告企業の韓国国内の資産を差し押さえ、一方の日本側は韓国政府を相手取り、請求権協定に基づき代わりに賠償するよう求める訴訟を起こしたり、国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討したりするとみられる。

 2015年には韓日国交正常化50周年を迎えるが、この問題がこじれれば外交上のあつれきが深まるだけでなく、日本の対韓国投資や両国の貿易が減少するなど、経済的にも大きな影響が出かねないと懸念されている。

 極度の関係悪化を避けるための妥協案の一つとして、賠償に向けた韓日共同財団の設立が挙げられる。韓国の政府と企業が出資して設立し、日本の政府と企業の賛同を求める形で運営するものだ。

 多額の財政負担と反対世論が予想されることから実現は容易ではなさそうに思えるが、これといった解決策がない中で検討可能な代案として取りざたされている。



聨合ニュース 2013年 11月 08日(金)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2013/11/06/0200000000AJP20131106003300882.HTML

経団連など「請求権問題は完全に解決」=戦時徴用賠償で

【東京聯合ニュース】
 太平洋戦争中に強制徴用された韓国人の被害者に対し日本企業に賠償を命じる判決が韓国で相次いでいることを受け、日本経団連など経済3団体と日韓経済協会が6日に提言を発表する。賠償問題が韓国に対する投資や事業の障害になり、両国の経済関係を傷つける可能性があると懸念を示すとみられる。

 聯合ニュースが事前に入手した文書によると、1965年の韓日請求権協定により慰謝料などの請求権問題が完全かつ最終的に解決されたことが基礎となり、これまで両国の経済関係が順調に発展してきたと強調。
 両国政府と経済界は経済関係発展のため解決を急ぐべきだとしている。

 提言で示された日本経済界の立場は、請求権協定により賠償や未払い賃金などの全ての問題が解決済みであるとする日本政府の見解と基本的に同じものであり、徴用被害者らの反発が予想される。

 韓国では昨年5月に大法院(最高裁)が新日本製鉄(現・新日鉄住金)と三菱重工を相手取った訴訟で初めて個人の請求権を認める判断を示した。
 その後、今年7月のソウル高裁(被告:新日鉄住金)、釜山高裁(同:三菱重工)での差し戻し控訴審、今月の光州地裁(同)の3件で原告勝訴の判決が出た。