2013年11月21日木曜日

フィリピン救援での日韓の違い:自衛隊は迅速に実行、韓国は10日間様子見

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朝鮮日報 記事入力 : 2013/11/21 10:58
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/21/2013112101296.html

【社説】フィリピン支援隊派遣で分かった韓日の違い

 強力な台風30号がフィリピンを襲ってから12日が過ぎた。
 死者・行方不明者数は5600人を超え、3億ドル(約300億円)近い財産被害が出た。
 生き残った人々も食糧・飲料水不足のためがれきの山をかき分け、埋まっている水道管を破壊しているという。
 フィリピン一国だけでは到底、背負い切れないほど途方もない大災害だ。

 安倍晋三首相は台風被害が明らかになった二日後の10日、フィリピン大統領に「あらゆる支援をする用意がある」と述べ、専門家を派遣した。
 その翌日には日本政府の報道官に当たる官房長官が
 「フィリピン政府からの要請があれば、医療支援などのため自衛隊を迅速に派遣できるよう政府内で調整している」
と発表した。
 フィリピン政府はすぐに日本の申し出を受け入れ、安倍首相は13日、自衛隊員約1000人の派遣を指示した。
 これにより、17日と18日に自衛隊艦艇3隻と航空機16機、医療・工兵要員1180人がフィリピンに向け出発した。

 日本は第2次世界大戦時にフィリピンを侵略・占領し、フィリピンではゲリラ戦で対抗した。
 つまり、両国は敵対関係にあったのだ。
 これに対し、フィリピンは6・25戦争(朝鮮戦争)時に5歩兵大隊7420人を韓国に派兵した。
 このうち112人が死亡、57人が行方不明となり、299人が負傷した。
 真っ先に支援の手を差し伸べなければならないのは韓国の方なのだ。

 しかし、韓国国防部(省に相当)は18日になってやっと
 「フィリピンが韓国軍派遣を要請した場合に備えて工兵・医療隊の派遣を検討している」
と表明した。
 同日までに外交部がフィリピンと派遣問題を話し合った形跡もない。
 与党セヌリ党の黄祐呂(ファン・ウヨ)代表は20日
 「政府がフィリピンへの軍隊派遣に同意を要請したら、国会は速やかに処理しなければならない」
と述べた。
 今後フィリピンから派遣要請を受け、政府が同意案を送れば、国会が審議して処理しなければならない。
 こうした手順を全て経れば、一刻を争うフィリピンの緊急救援状況はすでに終息している可能性が高い。

 韓国の対応がこのようにもたついているのは、あらゆる海外派兵に対し国会の同意を得なければならない現行法のためだ。
 米国・ドイツ・フランスでは災害救援のための海外派兵は議会の事後承諾を得ればいいようになっており、日本は国会の同意なしに自衛隊を派遣できる。
 韓国も交戦地域ではなく被災地に軍隊を送る場合は国会の同意を得なくてもいいよう、迅速に法改正する必要がある。

 現在の韓日間の最大の争点は、日本が再武装を可能にするため平和憲法を改正しようとし、集団的自衛権の行使を推進していることにある。
 反対する国は韓国と中国しかない。
 米国・欧州連合(EU)・英国・ロシア・オーストラリアはもちろん、日本が第2次世界大戦時に直接被害を与えた東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国も日本を支持している。

 日本は首相がASEAN諸国の全てを歴訪、今回のフィリピンのように大災害が発生した際には速やかに支援して外交的資産を着実に築いてきたため、それが奏功しているということだ。
 その一方で韓国の対ASEAN外交には深刻なブランクがあることを、今回の件は如実に示している。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版



朝鮮日報 記事入力 : 2013/11/21 11:00
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/21/2013112101297.html

自衛隊は迅速にフィリピンへ、韓国は10日間様子見
日本はすぐに救援チーム投入、自衛隊過去最大1180人派遣

集団的自衛権の正当性強化、北東アジアでの活動範囲広げる布石
韓国も国会同意なしの派遣推進へ

 国防部(省に相当)が、海外緊急災害・災害救援のために医療・工兵部隊を国会の同意なしで派遣できるようにする案を検討していることが19日、明らかになった。
 日本が台風30号で大きな被害を受けたフィリピンに対する救援を名目に自衛隊派遣に熱心なのに対し、韓国は海外派遣法の不備により、人道支援すらできていないという指摘に応えたものだ。
 現在、韓国では全ての軍隊海外派遣に対し国会の事前同意を必要としているため、救援活動は一刻を争うものであるのにもかかわらず、速やかな派遣は事実上容易でない。

■日本は災害救援名目で自衛隊を随時派遣

 国防部が構想している緊急災害・災害救援のための海外派遣案は、現在の「海外緊急救護に関する法律」を改正するものだ。
 現行の法律は海外で災害が発生した場合、被災国に民間の緊急救護隊や緊急救援物資などを国会の同意なしに支援できるようにしているが、これに医療・工兵など非戦闘隊員を含めようというのが国防部の案だ。
 政府関係者は
 「新しい法律を制定するには時間がかかるため、現行法の改正を検討しているところだ」
と説明した。

 日本は1992年に改正された「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」により国会の同意なしで救援活動を行っている。
 日本はこの法律に基づき台風30号で大きな被害を受けたフィリピンに自衛隊員1180人、大型艦艇3隻、航空機16機を派遣した。
 今回の派遣は被災地支援活動としては過去最大規模だ。
 防衛省によると、18日に護衛艦「いせ」と輸送艦「おおすみ」の艦艇2隻が自衛隊員700人を乗せて広島・呉の海上自衛隊基地を出発したという。
 2011年に就役した「いせ」はヘリコプターを最大11機搭載できる「準空母級」だ。
 「おおすみ」は全長178メートルの大型輸送艦で、1000人が乗れる。
 自衛隊の航空機は合計16機が動員される。
 特に今回派遣される部隊は陸・海・空の自衛隊を網羅した「統合任務部隊」として編成された。
 日本政府がこのように迅速に大規模災害の支援に乗り出したのは、北東アジアにおける自衛隊の活動範囲を広げ、集団的自衛権に対する正当性を強化するための布石とみられている。

■韓国、ないに等しい派遣関連法令

 国防部は今回、フィリピンに航空機2機と将兵約50人を派遣した。
 韓国軍はフィリピンの派遣要請に備えて工兵部隊と医療チームからなる派遣部隊約400人を組む計画を立てているが、すでに時機を逸したという声が多い。
 フィリピンが派遣を要請してきても政府方針を決めて国会で派遣同意を得るには時間がかかり過ぎるため、一刻を争う救援活動の意味がなくなってしまうからだ。

 問題は派遣に関する法律の条項だ。
 10年に制定された「国連平和維持活動参加に関する法律」(通称UN PKO法)は法の適用対象を国連平和維持活動(PKO)に限定している。
 清海部隊(ソマリア沖)やオシノ部隊(アフガニスタン)のような多国籍軍派遣と、アーク部隊(アラブ首長国連邦)のような国防協力派遣ははっきりとした法的根拠がない。
 政府はこうした場合、「国会は韓国軍の海外派遣に対する同意権を有する」という憲法第60条第2項の規定に基づき、国会の同意を受けて軍を海外に派遣してきた。

 現在、フィリピンに派遣されている空軍輸送機2機とパイロット・整備士ら約50人も厳密にいえば国会の同意を経ていないため違法だと指摘される可能性がある。
 与党セヌリ党のソン・ヨングン議員は軍の派遣について法的根拠を明確にする「韓国軍の海外派遣活動参加法案」を発議したが、国会空転で通過は先行き不透明だ。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/11/22 08:25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/11/22/2013112200514.html

韓国政府、フィリピン支援で500人派兵へ

 韓国政府は21日、超大型の台風30号で約5500人の死者・行方不明者が出たフィリピンに、工兵部隊と義務部隊を中心とする韓国軍の部隊を派遣することを決めた。

 派遣規模は最終的には調査団の現地視察を経て決まるが、約500人(大隊級以上)規模になる可能性が高いという。

 フィリピンが前日に災害救助のための兵力派遣を要請してきたことを受け、韓国政府は21日の国家安保政策調整会議で、来月中に被害の大きかったレイテ島タクロバンに部隊を派遣することを決めた。
 政府は27日に派兵同意案を国会に提出する予定で、今月末か来月初めに同意案が国会で可決されれば、来月中旬にフィリピンへの派兵が実現する見通しだ。

 フィリピンへの派兵が最終的に決まれば、1991年に韓国が国連に加盟して以降、17番目の派兵となり、兵力の規模としては2004年のイラクへのザイトゥーン部隊派遣以来、最大規模だ。
 大規模災害支援のための海外派兵はハイチ大地震以来だが、国連の要請ではなく被災国の要請で支援部隊を派遣するのは今回が初めてとなる。



聨合ニュース 2013年 11月 22日(金)
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2013/11/21/0900000000AJP20131121003400882.HTML

フィリピン支援 韓国政府が500人派兵を決定

【ソウル聯合ニュース】
 韓国政府は21日、国家安保政策調整会議を開き、台風30号で甚大な被害を受けたフィリピンに対し約500人の将兵派遣を決定した。
 災害復旧と人道的な支援活動にあたる。

  韓国政府は前日、フィリピンから災害救援兵力の派遣要請を受けた。
 派兵同意案を27日に国会に提出する予定で、通過すれば来月中旬ごろ派遣することになる。

 最も被害の大きい中部レイテ島のタクロバンに、工兵隊や復旧隊、医務隊、参謀部などからなる部隊を派遣する。
 海兵隊の上陸作戦に用いられる揚陸艦(LST)2隻で移動する。
 現地到着まで約1週間を要する予定。

 韓国の国防部関係者は
 「朝鮮戦争に兵力を派遣したフィリピンの切迫した状況を踏まえ、迅速な派兵を決定した」
と説明した。
 まずは国防部や合同参謀本部、外交部などによる調査団が近く現地に向かう。

 フィリピンへの派兵が確定すれば、1991年の韓国の国連加盟後、17番目の海外派兵となる。
 現在はレバノンとソマリア、アフガニスタン、アラブ首長国連邦、南スーダンに約1100人を派遣している。




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