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朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/08 08:13
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/08/2013120800159.html
韓国の水道管は穴だらけ、年間470億円分の水がムダに
まるで噴水のように水道水が噴き出した。
10月7日午後4時ごろ、江原道寧越郡酒泉面の酒泉中学校付近の道路でのことだ。
掘削機で1.5メートルほど地面を掘ると、腐っているかのように見える古い水道管が姿を現した。
水道管には幾つかの穴が開いており、水道水は穴から一気に噴き出していた。
「少なくとも25年以上になる亜鉛メッキの鋼管です。
さびやすい材質であるため、もう少し早く交換すべきでした」。
現場にいた斗山建設のナム・ヨンフ所長が話した。
地中にそのままにしておけば、貴重な水道水が漏れ続けるところだった。
韓国各地の至る所で水道水が失われている。
環境部(省に相当)と韓国環境公団が発表したところによると、2011年を基準とした場合、全国で年間6億2870万トンの水道水が漏れ出していることが分かった。
金額に換算すると、実に5114億ウォン(約470億円)になる。
寧越郡ではこのような水道水の漏水箇所を補修するために工事が進められている。
■寧越のシャワーの値段はソウルの2倍
水道管から水道水が漏れれば漏れるほど、消費者の水道料金は高くなる。
浄水場では、漏れ出した水道水の分だけより多くの水を生産しなければ、家庭に同じ量の水を供給できないためだ。
水道料金は電気料金とは違って、地方自治体ごとに料金設定の基準がばらばらだ。
このため、上水管の管理状態が悪い地域の住民は、高い水道料金を支払わなければならないことになる。
2011年の上水道統計を見ると、江原道旌善郡(1立方メートル当たり1382ウォン=約127円)、平昌郡(同1211ウォン=約112円)、寧越郡(同1075ウォン=約99円)は、水道水が高い地域に属している。
むしろソウル(同514ウォン=約47円)、大邱(同540ウォン=約49円)、大田(同477ウォン=約44円)などの大都市の水道水の方が安い。
全国で最も水道料金が安い所は慶尚北道軍威(380ウォン=約35円)で、旌善郡の約27%にすぎない。
例えば4人家族が1回ずつシャワーを浴びた場合の水道料金(720リットル基準)は、ソウルでは約370ウォン(約34円)だが、江原道寧越郡では774ウォン(約71円)と、2倍以上に跳ね上がる。
このように、江原地域など地方の水道料金が高くなってしまうのは、長い水道管を持つという地域的特性のためでもあるが、「古い水道管」が至る所に残っていることも一因だ。
地方では、水道管を交換しようとしても地方財政の悪化で上水道施設の管理がどうしても後回しにされがちだ。
これにより、水道水はさらに漏れ出し、水道料金が上昇するという悪循環が続いている。
浄水場で生産された水道水のうち、実際に全ての家庭にどれだけの水が供給されているかを計算した
「有収率」は、ソウルは93.8%に上るものの、江原道太白市はわずか25.8%にすぎない。
太白では生産された水道水のわずか4分の1しか家庭に届けられておらず、残りは全て漏れ出しているというわけだ。
さらに、水道管が老朽化すれば、水道水の安全性にも問題が生じる恐れがある。
水道管内部がさびついて、水道の蛇口からさびた水が出たり、土中の汚染物質が水道管の中に混入したりする恐れがある、というのが韓国環境公団の説明だ。
■寧越郡「水道料金を引き下げる」
寧越郡の朴善圭(パク・ソンギュ)郡守(郡の首長)は、上水道管の補修事業が終了する2015年には郡の住民たちがこの事業の恩恵にあずかれるように、水道料金の引き下げについて異例の検討を行っている。
朴郡守は「春の日照りと口蹄(こうてい)疫による地下水汚染の危機などを経験した寧越郡では、安くてきれいな水の供給がすなわち『生命』と直結している。
水道管の補修工事を行い、水道料金を15-20%引き下げる案を検討中」と目標を述べた。
環境部は、地方財政の悪化を訴える地方自治体が上水道の補修工事をよりスムーズに行っていくためには、さらに国庫支出を増やす必要性があるとの立場を示している。
環境部のファン・ソクテ水道政策課長は「水道水は全ての国民がある程度の水準以上のサービスを受けなければならない一種の基本福祉だ。
その上、水道水が漏れるのは、税金の無駄遣いにつながるため、水道管の補修工事を積極的に行っていく必要性がある」と訴えた。
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