『
ウォールストリートジャーナル 2014/01/30 11:22 am
http://realtime.wsj.com/japan/2014/01/30/%E5%AE%89%E5%80%8D%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%80%81%E8%87%AA%E5%9B%BD%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%AA%87%E3%82%8A%E9%86%B8%E6%88%90%E3%82%92%E6%95%99%E8%82%B2%E6%94%B9%E9%9D%A9%E3%81%AB%E6%B1%82%E3%82%81%E3%82%8B/?mod=WSJBlog&mod=WSJJP_Blog
By Yuka Hayashi
安倍首相、自国への誇り醸成を教育改革に求める
日本政府は教育改革に本格的に乗り出している。
教育制度の見直しは、日本の子供たちに自国への誇りを持たせたい安倍晋三首相が最重要課題の1つと位置付けているものだ。
国内紙は29日、政府の見解をこれまで以上に教育に反映させる2つの措置について報じる見出しで埋め尽くされた。
★.1つは、領土権の主張を強調する中学・高校向け学習指導要綱の改定、
★.もう1つは、自治体の首長が持つ教育委員会の監督と教育行政の決定権限を強める自民党の方針についてだ。
教育委員会のあり方に関して、安倍首相は28日の衆院本会議で「現行の制度を抜本的に改革する」と表明した。
ここ最近、領土問題や歴史認識をめぐって日本と激しいやりとりを交わしていた近隣諸国は、この動きにすぐさま反発した。
中国や韓国からの強い非難を招いた安倍首相の靖国神社参拝から1カ月が経ち、緊張が解け始めるとの期待は一気に打ち砕かれた。
新しい学習指導要綱には、問題となっている領土や日本の主張が具体的に記された。
法的拘束力はないものの、政府は学習指導要綱が教科書作成や授業内容の指針になることを望んでいる。
例えば、中学社会の地理的分野の新学習指導要綱では、竹島(韓国名:独島)が「不法に占拠」されており、日本は「累次にわたり抗議を行っている」と解説されている。
改訂前は単に、日本と韓国の間に「竹島をめぐって主張に相違がある」と説明されていた。
また、以前は中国と領有権をめぐって対立している尖閣諸島(中国名:釣魚島)について全く言及していなかったが、改訂後は
「尖閣諸島については、わが国の固有の領土であり、また現にわが国がこれを有効に支配しており、解決すべき領土権の問題は存在していないことを、その位置や範囲とともに理解させることが必要である」
と詳細に述べられている。
中国政府はこれを強く批判。
中国外務省の華春瑩・副報道局長は28日、
「どれだけ知恵を絞り、手法を変えて誤った主張を宣伝しても、日本は釣魚島が中国固有の領土だという根本的な事実を変えることはできない」
と反発した。
一方、韓国外務省は別所浩郎駐韓大使を呼び、撤回を求めた。
韓国政府は声明で「独島に関する間違った主張」を教えることは
「日本政府が歴史に対する歪曲した見解と過去の帝国主義の痕跡を拭い去れずにいることを示している」
と述べた。
安倍首相は就任から1年間、経済再生に向けた取り組みに注力してきたが、最近では自身の国家主義的な考えに基づく外交政策に重点を移し始めているようにみえる。
近隣諸国との領土問題をめぐる緊張は、数週間前に中国が新たな防空識別圏の設定を一方的に発表し、安倍首相が靖国神社を突然参拝したことで悪化している。
また、安倍首相が先週、準備されていなかったとみられる発言の中で、日中関係を第1次世界大戦前の英国とドイツの対立に例えたことで懸念がさらに強まった。
安倍首相は以前から日本人の愛国心復活を目指して教育制度の見直しを推進している。
著書「美しい国へ」では
「戦後日本は戦争の原因と敗戦の理由をひたすら国家主義に求めた。
その結果、戦後の日本人の心性のどこかに、国家=悪という方程式がビルトインされてしまった。
だから、国家的見地からの発想がなかなかできない。
いやむしろ忌避するような傾向が強い。
戦後教育の蹉跌(さてつ)の1つである」
と訴えている。
原文(英語):Abe Seeks Dose of Pride in Education Overhaul
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2014/01/29/abe-seeks-dose-of-pride-in-education-overhaul/
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/29 09:24
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/29/2014012900663.html
【社説】行動を怠った被害者が「挑発する日本」を作った
日本の安倍政権は28日、中学と高校の「学習指導要領解説書」に「独島(日本名:竹島)は日本固有の領土」という内容を明記した。
この「解説書」は教科書を執筆する際の基準であり、また教師が授業を行う際の指針にもなる。
日本が独島を自国の領土として強制的に編入したのは1905年、乙巳(いっし)条約(第2次韓日協約)が締結される直前だった。
今後、日本の全ての中学生と高校生は、旧日本帝国が強奪した韓国の領土を「日本の領土」として学ぶことになった。
日本政府は第1次安倍政権のときから、小中高校の教科書で独島関連の記述のレベルを何か作戦でも行うかのように高めてきた。
2008年7月には中学校の教科書解説書に「日本と韓国の間に独島をめぐって主張の違いがある」という初歩的な記述を行い、その後10年には小学校教科書に独島を「自国の領土」と初めて記載した。
教科書だけではない。
日本の防衛省が発行する『防衛白書』は2005年から9年連続で「独島は日本の領土」と記載している。
日本の外相はここ3年間、韓国の施政演説に相当する「国会外交演説」で「独島は日本の領土」という発言を続けている。
これは自民党政権のときだけではなく、鳩山由紀夫、菅直人、野田佳彦首相と続いた民主党政権でも同じような行動が繰り返されていた。
韓国政府は28日、外交部(省に相当)報道官が声明を発表し
「次の世代にうその主張を教え込もうとしている」
「日本政府が直ちにこれを撤回しない場合、それに相応する断固たる措置を取る」
などと激しく反発した。
しかし意図的に挑発を繰り返す日本政府に対し、その行動を今すぐ変えさせる現実的な手段がないのも事実だ。
そのため結局韓国政府は落ち着いて独島に対する実効支配を強化しつつ、日本自らが独島領有権の主張が無意味である事実を悟るよう、時間をかけて対策を準備する以外にないだろう。
このような状況の中、韓国も自らの問題を振り返らざるを得ない。
ソウル大学の李泰鎮(イ・テジン)名誉教授は27日、ソウルで開催された東北アジア歴史財団主催の学術会議で
「韓国の学界は日本による侵略主義の思想的な基盤をしっかりと研究してこなかった。
これは被害者の職務怠慢だ」
と主張した。
李教授によると、安倍首相は靖国神社参拝に先立ち、昨年8月13日に吉田松陰の墓を参っていた。
吉田松陰とは「日本は韓国を征服すべき」と主張する「征韓論」の元祖だ。
韓国の学界やメディアは安倍首相によるこの墓参りにさほど注目しなかったし、また松陰についてそれほど詳しい人間もいなかった。
李教授は
「安倍首相は自らが最も尊敬する人物として吉田松陰の名を挙げている」
とした上で
「侵略主義を打ち立てた松陰について、韓国の学界では研究されたことがほとんどない。
そのため日本はしっかりと反省をしなくなった」
と自責の念を込めて指摘した。
ドイツ議会は27日、アウシュビッツ収容所解放60年記念行事を開催し、これにはメルケル首相も出席した。
ドイツが日本と異なり反省を繰り返すのは、ナチスによる被害者たちが執拗(しつよう)かつ徹底してナチスの犯罪を追及してきたことも理由の一つだ。
ユダヤ人団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」がここ数十年の間に法廷に立たせたナチスの戦犯は1100人を上回る。
この団体はわずか1年前まで戦犯の一人を懸賞金を懸けて世界に指名手配し、最終的にその身柄を拘束した。
被害者が動かなければ加害者は自らの犯罪を忘れる。
その被害者とは日本の帝国主義により最大の被害を受けた国である韓国のことだ。
われわれはこれまで日本の帝国主義の蛮行を追及し、その責任者を一人でも明らかにしただろうか。
これは自問自答せざるを得ない深刻な問題だ。
韓国版「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が1カ所でもあれば、日本は今のような状態にはならなかったはずだ。
韓国政府と東北アジア歴史財団は28日「日本の帝国主義による侵奪の蛮行史」をテーマとする国際的な共同研究を推進すると発表した。
今後は中国や東南アジア諸国からオランダ、英国、米国に至るまで連携の範囲を広げなければならない。
50年、100年単位の目標を立て、日本の帝国主義の根源とその後継者に対する追跡を続け、その実態を詳しく明らかにしなければならない。
それは圧政を拒否し自由を求めてきた人類の歴史に対するわれわれの義務でもある。
それができれば韓国と日本もドイツとイスラエルのように健全で正常な関係、未来について語り合える関係を築くことができるはずだ。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/29 08:30
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/29/2014012900430.html
独島:「韓国が不法占拠」 安倍政権が指導を義務付け
学習指導要領解説書を改訂
日本政府が28日「竹島(独島)はわが国の領土であり、韓国が不法占拠している」という内容について指導するよう、各学校に対し義務付ける措置を講じた。
これに対し韓国政府は「誤った部分について、ただちに是正してほしい」と求めた。
文部科学省は、28日に改訂された「学習指導要領解説書」に「竹島は日本の領土」という内容を盛り込み、各地方自治体の教育委員会に対し、関連教育を忠実に行うよう通告した、と発表した。
具体的な内容は「日本固有の領土である竹島を韓国が不法占拠しており、これに対し日本は長年にわたって抗議を行っているという点について、経緯を的確に説明し、日本の領土に対する理解を深める必要がある。
国際法上の正当な根拠により、竹島が正式に(日本の)領土に編入された経緯を指導するように」というものだ。
今回改訂された学習指導要領解説書は、中学校・高校の教科書の作成や、学校現場での指導の指針となる。
名目上は法的拘束力はないが、政府がこれを根拠とし、教科書検定の際に該当する事項を記述するよう求めることができ、大部分の教科書に、事実上義務的に反映されることになる。
対象となる教科書は、独島問題について扱うことが可能な、地理・歴史・公民分野の全ての教科書だ。
一方、日本政府は、来月22日に島根県が開催する「竹島の日」記念行事に、内閣府の亀岡偉民政務官(次官級)を出席させることを決定した、と朝日新聞が報じた。
これに対し、韓国教育部(省に相当)の徐南洙(ソ・ナムス)長官は28日、政府世宗庁舎で緊急の記者会見を行い「日本の文部科学省は誤った部分についてただちに是正すべきだ」と述べた。
また外交部のキム・ギュヒョン第1次官は、別所浩郎・駐韓日本大使を政府中央庁舎に呼び、韓国政府の立場を伝えた。
政府は「日本帝国主義のよる侵略、蛮行の歴史」について、中国などとの国際的な共同研究や、関連する書籍の刊行も推進していくという。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/29 09:04
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/29/2014012900587.html
独島:日本、緻密な計画で解説書改定
「日本領」主張、小中高に拡大
日本政府が中学校と高校の「学習指導要領解説書」を改訂したのは、「韓国が日本領である独島(日本名・竹島)を不法占拠している」という教育を繰り返し行うことを意味する。
過去に極右団体が作成した教科書にようやく盛り込まれていた内容が教科書全体に広がり、これから育つ世代の脳裏に独島が韓国との紛争対象だという認識を植え付けるものだ。
日本政府はさらに、法的拘束力がある「学習指導要領」にも独島問題に関する主張を反映させる構えだ。
学習指導要領には、ロシアのクリル諸島のうち、日本がしつこく返還を要求している四島問題が既に盛り込まれているが、独島も同じ線上で扱われることになる。
日本は緻密な計画を立て、独島問題を段階的に教科書に反映した。
2008年に中学校の学習指導要領解説書の社会・地理的分野で独島問題について、「日韓両国の主張の違いに言及する」と明記したのが最初だ。
その後、中学校だけでなく、小学校、高校の教科書にも独島に対する領有権問題の記述が増えた。
10年には小学校の社会科教科書5種が独島を日本領で紛争地域だする表示の地図を掲載した。
11年には中学校地理だけでなく、公民・歴史の教科書にも独島関連の記述が加わった。
12年の高校教科書検定の結果、地理だけでなく、現代社会では17種中9種、日本史では6種中5種類、世界史では13種中2種が独島問題を扱った。
極右派団体が作成した扶桑社の教科書には「韓国が竹島を不法占拠している」と記述されているが、大半の教科書は独島を「日本固有の領土」とし、「韓国が占拠している」といった程度の簡単な記述にとどまっている。
教育出版の歴史教科書は「日本海にある竹島について、日本と韓国の間で領有権をめぐる主張が対立しており、未解決問題として残っている」と記述している。
今回の解説書改訂で、教科書には
▲.17世紀半ばに独島に対し、日本が領有権を確立
▲.1905年に島根県に編入
▲.サンフランシスコ講和条約で独島に対する領有権が国際的に認められた
―などとする日本政府の主張がそのまま掲載される見通しだ。
日本が国際司法裁判所(ICJ)を通じた解決を目指しているが、韓国が応じていない点も盛り込まれる。
東北アジア歴史財団のキム・ヨンス博士は
「解説書は教科書作成時の実質的ガイドラインであり、今後中高はもちろん、小学校の教科書にも韓国が独島を不法占拠しているという内容が1-2ページ盛り込まれる可能性がある」
と指摘した。
学習指導要領解説書は通常10年ごとに改訂されるが、今回は2008年以来6年ぶりの改訂だ。
安倍政権の歴史歪曲(わいきょく)攻勢がどれだけ急速に進んでいるかを示す動きだ。
日本政府は最近、独島に対する領有権を主張するコンテンツを11の言語で動画サイト「ユーチューブ」に公開し、関連ウェブサイトも開設した。
今年は海外の専門家やジャーナリストを招きセミナーを開くするなど、世界に独島に対する領有権主張を広める計画だ。
NHKによる独島の天気予報放送も進める。
』