「安倍暴走」
なんて回りが本当に思っているならそれにこしたことはない。
安倍さんはすこぶるしたたかである。
韓国が頭に血が上る用に仕組んでおいて、沸騰しているあいだにこっそりと
日本版NSAの発足と
280島の無人島の国有化を実行
してしまった。
政治家としてはウマイ手法である。
他人の気を別にそらしておいて、
本題を処理してしまうというのは、
昔からあるイージーな策略であり、
それにまんまとひっかかるバカも悪い。
安倍さんは「裏芸」をやる。
いま安倍さんにとって、回りがどう言おうと、国内を固めることが先決になっている。
回りからいい子に見られようという気はこれっぽちもないようだ。
「悪役、大いにけっこう」
と割りきっているようである。
悪役を演じているあいだに、できることはできるだけやってしまおう、
といったところか。
何よりも、
2/3世紀ぶりに目覚めた日本をいかに普通の国にするか、
それがなによりも優先する政治テーマになっている。
2/3世紀にわたる「お詫びと反省の国」を「普通の国」へどのように導いていくか、
ということだ。
「裏切りのオバマ」にはこれまでのような大きな信用はおかないし、アメリカは信頼する相手ではなく、よりうまく利用する相手とみなしている。
中国とはぶつかることでエネルギーをもらっている。
強くぶつかればぶつかるほど大きなエネルギーとなって日本国内を照らしてくれる。
これは目覚めたての日本にとっては力強い援軍。
足元を照らし、行く先目標をチカチカと示してくれる。
おばさんの告げ口外交は表だけなので足元が見える。
「華麗だ、だが脆弱だ!」とでも思っている程度のものだろう。
「安倍暴走」なんて言っている限りは、日本には勝てない。
日本は負けたと思わせて、利を稼ぐのがうまい。
だからこそ40年以上にわたって無資源国家がナンバー2の経済大国を保持できたのである。
「暴走だ!、暴走だ!」と騒いでいるうちに、その暴走を実行して着々と利を稼いでいく、それも外交でもある。
「暴走」という言葉のウラには「なんでもあり」という意味が潜んでいる。
韓国が日本に対して「暴走」と表現するということは、
日本は何でもできる境遇に置かれているという幸運を提供している、
ということになる。
このチャンスを絶対に逃がす手はない。
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/10 11:33
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/10/2014011001289.html
安倍暴走、韓国の外交的地位向上の契機に
ソウル大学国際大学院・朝鮮日報共同企画
【特集】安倍暴走に揺れる北東アジア[第1回]
安倍首相の靖国参拝で韓日関係悪化
米国内で「日本の責任の方が大きい」との認識広がる
「安倍晋三首相は個人の信念のために、ほかの人々・ほかの国々が日本をどのように見ているのかについての認識がないようだ。
今回の件は明らかに安倍首相の間違いだ」
これは米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)のジョン・ハムレ所長が、安倍晋三首相が年末に靖国神社に参拝した直後、本紙のインタビューに応じて述べた言葉だ。
知韓派であり知日派でもあるハムレ所長のこうした見解は、最近の米国の官民で見られる「安倍疲労感」を端的に表している。
「日米同盟は依然として米国の北東アジア戦略の柱」という認識に変わりはないが、これとは別に、安倍首相個人の非好感度が急激に高まっているのだ。
このため、韓日関係の悪化は韓国よりも日本の責任の方が大きいとの認識も広がっており、
韓国の外交的地位が強まったとの見方もある。
安倍首相は就任以来、「米国頼りの外交」を展開している。
米国としても国防費削減基調の中、「中国けん制」の負担をかなりの部分背負ってくれるため、日本の戦略的価値はこれまで以上に高まり、両国関係は「新蜜月時代」と言われるほどだ。
ところが、ワシントンのある外交消息筋は6日(現地時間)、
「最近の日米関係と過去の蜜月時代では、米国内における日本の首脳に対する認識が大きく違う」
と語った。
かつてのレーガン氏と中曽根氏、ブッシュ氏と小泉氏の蜜月時代には、両首脳の個人的な親交が厚かっただけでなく、米国では官民共に日本の首脳に対する好感度が高かった。
しかし、安倍首相に対してはその「親米路線」を高く評価する米国人たちも不安に思う部分がある。
それは
「安倍氏には、歴史問題に関する挑発行為などで周辺国と不必要な摩擦を起こし、米国を困らせる不安要素が常にある」
というものだ。
今回の靖国神社参拝は、これを証明するきっかけになった。
安倍首相に昨年会ったカート・キャンベル元国務省次官補(東アジア・太平洋担当)は韓国の知人たちに
「以前は安倍氏の右翼的な行動は『政治的計算』によるものだと思っていたが、実際に会ってみると『自己確信』によるものだということが分かった」
と語ったという。
米国を代表する知日派のリチャード・アーミテージ元国務副長官は
「日本の要人に会うたびに『歴史問題に関連したこうした言動がなぜ韓国など周辺国を怒らせるかについて考えてみてほしい』と忠告してきた」
と言った。
安倍首相のこうした「暴走」は、逆説的に言えば韓日間の歴史問題に関して韓国が国際社会で「名分」を得るきっかけになっている。
最近まで米国当局者やメディアは「韓日関係の悪化は韓国に責任がある」という説が飛び交っていた。
「それでも日本は韓国に首脳会談を積極的に提案するなど、両国関係を改善しようとする意向を見せているが、韓国はこれらを全て蹴った」
というものだ。
ところが、米国に不意打ちを食らわせた安倍首相の靖国神社参拝は、こうした空気を一転させ、米国は韓国の立場の方を理解するようになったと受け止められている。
アーミテージ元副長官は
「『日本のさらなる挑発行為がないとは言い切れない状況だから、朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は安倍首相に会わない』という韓国の姿勢に百パーセント同意する」
と言った。
ある外交消息筋は
「今回の件で米国はすぐには日本に圧力をかけないだろうが、長期的に見れば米国内で韓国の立場を強める効果があるだろう」
と見通している。
米国だけでなくヨーロッパなどでも安倍首相に対する冷ややかな視線は同じだ。
欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表兼欧州委員会副委員長は
「安倍首相の参拝は北東アジア地域の緊張緩和や近隣諸国との関係改善努力に水を差す行為だ」
と述べた。
また、ドイツ政府のザイベルト報道官はこれに関連、
「一般的に言って、全ての国は20世紀のむごたらしい出来事において、自分たちの役割に正直に責任を取らなければならない。
この責任の上にしか他国との将来は築けない」
とコメントした。
』
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/11 12:11
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/11/2014011100779.html
中・日衝突防ぐ鍵握る韓国
ソウル大学国際大学院・朝鮮日報共同企画
【特集】安倍暴走に揺れる北東アジア[第2回]
中・日が同時期に大国になるのは歴史上初…両国が勝手許さないほど韓国も国力増強
韓米同盟を基盤に北東アジア外交戦略の再編を
安倍晋三首相は今年、自身が「一生の課題だ」と語った平和憲法の改正を本格化させる見通しだ。
安倍政権は今秋までに集団的自衛権導入のための法整備を完了させると日本経済新聞が8日、報道した。
事実上、平和憲法体制から脱して「戦争ができる日本」を作るということだ。
■歴史上初の中・日同時大国時代
安倍政権のこうした国粋主義的な歩みは、北東アジアの覇権をめぐり、中国との「決戦」を辞さないという意向の表れだと受け止められている。
中国も連日、日本を「闇の悪魔」と呼び、厳しい姿勢を見せている。
ソウル大学国際大学院のイ・グン教授は
「中国の成長に伴い、北東アジアでは中国と日本が同時に大国になるという新しい秩序ができた」
と見ている。
中・日両国が現在のように同時期に強国になった時代は歴史上、これまでなかったというのだ。
近代以前は中国が圧倒的な力で北東アジアを支配した。
そして19世紀末には日本が日清戦争(1894-95年)で勝利し、北東アジアの覇権を握った。しかし、中国は2010年国内総生産(GDP)額で日本を抜き、再び大国にのし上がった。
中国は10年以降、米国に次ぐGDP額2位、日本は3位をひた走っている。
12年現在の中国(約8兆3583億ドル=876兆1170億円)のGDP額と日本のGDP額(約5兆9597億ドル=約624兆6960億円)を合わせると約14兆3180億ドル(約1500兆8130億円)に達する。
これはヨーロッパの大国であるドイツ・フランス・英国という3カ国のGDPを合計した額の2倍近い。
中国と日本はヨーロッパを上回る、世界経済の主軸になっているのだ。
軍事力も強大だ。
中国の正式な国防予算は12年現在で1020億ドル(約10兆6900億円)で、米国(6457億ドル=約67兆6560億円)に次ぐ世界第2位。
だが米国は、統計では把握できない中国の「黒い国防費」を恐れている。
日本は12年の国防予算が594億ドル(約6兆2240億円)で、英国(608億ドル=約6兆3710億円)、ロシア(599億ドル=約6兆2810億円)に続き世界第5位だった。
しかし、今年は第3位に浮上する見通しだ。
安倍首相は軍事力の増強に乗り出し、昨年は国防予算を前年比3億8900万ドル(約408億円)増やし、今年は47億ドル(約4930億円)増額する計画だ。
■対立する中・日、そのはざまの韓国
中国と日本は互いに警戒心を隠さない。
日本は昨年7月に発表した防衛白書で
「中国は武力アピールにより地域内の安保状況を変えようとしている」
と指摘した。
一方の中国も防衛白書で日本脅威論を強調している。
両国の国民感情も最悪の状況だ。
シンクタンク「ピュー・リサーチ・センター」の世論調査によると、
中国人が日本に対し「友好的」と答えた割合は08年の17%から昨年は4%と大幅に低下した。
日本人も中国に対し友好的だと答えた割合が07年の29%から昨年は5%にダウンした。
韓国は強大国である中国と日本のはざまにあるが、かつてとは状況が異なる。
120年前の日清戦争、420年前の壬辰倭乱(じんしんわらん、文禄・慶長の役)時とは違い、韓国は両国が無視できないほどの国力を持つようになった。
イ・グン教授は
「韓国の国力が強まった上、米国が域外バランサーとしての役割をしているので、旧韓末時代とは状況が異なる」
と話す。
中国と日本は互いをけん制するため、韓国を味方に付けようとしている。
日本は12年、韓日情報保護協定や相互軍需支援協定の締結を試みた。
今後も日本はこうした軍事協力を韓国に提案してくる可能性が高い。
一方、中国は歴史問題や独島(日本名:竹島)問題を通じて韓国を日本から遠ざける戦略を取っている。
専門家らは
「中国と日本が平和の道を進むよう、韓国は調整役を果たすべきだ」
と話す。
隣国を侵略したことのない韓国は、中国・日本の双方に友好的になれるということだ。
ソウル大学国際大学院のチョ・ヨンナム教授は
「中国と日本が軍事衝突をしたとしても、どちらか一方の側に立ったり、確執に巻き込まれたりしないようにする姿勢が必要だ。
韓米同盟を基本としながらも、その同盟の目的を中国のけん制とするのではなく、北朝鮮に対する抑止力に焦点を合わせて北東アジア外交戦略を立てるべきだ」
と話している。
』
「闇の悪魔」対「強欲の悪魔」
なかなか面白い対決になるかも。
『
朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/12 09:45
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/12/2014011200277.html
北東アジアの秩序を維持する「3本の柱」に揺らぎ
ソウル大学国際大学院・朝鮮日報共同企画
【特集】安倍暴走に揺れる北東アジア[第3回]
韓日、請求権協定の解釈めぐり異なる見解
中・日、尖閣諸島問題めぐる「暗黙の了解」破れる
米中、アジアでの覇権めぐり無限の競争
「韓国と日本の関係が悪化し、韓米日同盟が崩壊すれば、中国の戦略に巻き込まれる」
中国と日本が、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有権や防空識別圏の設定をめぐって一触即発の状況に至っている。
日本は韓国とも、歴史認識をめぐって激しく対立している。
韓中日3カ国の対立は領土と歴史問題が原因だと考えられる。
だが、根本的な要因としては、米中両国の勢力の対立と、中・日両国の覇権争いが同時に進行する、巨大なパワーゲームの変動が挙げられる、と専門家たちは指摘している。
■揺らぐ北東アジアの「3本の柱」
北東アジアの秩序はこれまで、
★.1965年の韓日基本条約、
★.72年の中・日国交正常化、
★.同年の米中両国による上海コミュニケ(共同宣言)
という3本の柱によって維持されてきた。
ところが今や、韓日両国の「65年体制」と中・日、米中両国の「72年体制」がいずれも揺らいでいる。
韓国と日本は、韓日請求権協定の解釈をめぐって異なる見解を示し、新たな韓日関係を模索しようとしている。
中国と日本は、72年の国交正常化と78年の平和友好条約締結の際、尖閣諸島の領有権についての判断を留保するとした「暗黙の了解」が事実上破られている状況だ。
また、72年の上海コミュニケで「アジア・太平洋地域での覇権を追求しない」とした米国と中国の合意も、今やその効力は消え失せている。
中国は米国と対立しない「新型大国関係」を唱えながらも、地域内での「核心的利益」の保障について取り組みを求めている。
昨年末、東シナ海で一方的に防空識別圏を設定したことからも、核心的利益を追求する中国の対外戦略をうかがい知ることができる。
日本は米国との同盟関係を強化しながら、積極的な防衛戦略の構築に乗り出している。
国家安全保障会議(日本版NSC)の設置や、特定秘密保護法の成立、集団的自衛権をめぐる論議などがその延長線上にある。
米国は金融危機や国家財政の悪化のあおりを受け、北東アジアでの影響力が次第に低下している。
このため米国は、中国の勢力拡大をけん制するため、日本の軍事力強化を容認し、「力の空白」を埋めようとしている。
日本は軍事力の分担を望む米国の支持を得ながら、戦争を禁じる「平和憲法」の改正を目指している。
■グローバルな対立と地域対立の双方に巻き込まれる韓国
韓半島(朝鮮半島)は、米中の世界覇権をめぐる争いと、中・日両国の地域覇権をめぐる争いの渦の中にいる。
米国は、韓国が日本との関係を改善し、米国のアジア戦略に協力することを望んでいる。
一方、中国は韓日関係を北東アジアの最も弱い連携と見なし、韓国を日本や米国から引き離そうと企んでいる。
韓国と日本は正式な同盟国ではない。
だが、韓米同盟を通じ、米国の同盟国である日本とは「類似同盟関係」を維持してきた。
だが最近、韓国と日本が歴史認識をめぐって対立しているため、「韓米日三角同盟」の軸は大きく揺らいでいる。
米国は尖閣諸島問題をめぐり、日本を支持する意向を表明している。
米国は昨年、国防授権法案で「尖閣諸島が米日安全保障条約の適用対象であるという点をあらためて確認する」と明記した。
ジョン・ケリー国務長官は最近、日本の安倍晋三首相に対し
「(北東アジアの)地域内で新たに強い役割を担うため、並々ならぬ努力をしていることは、われわれ(米国)にとってこれ以上ない喜びだ」
と歓迎するメッセージを伝えた。
日本による集団的自衛権の行使は、中国にとって脅威となる。
だが、北東アジアの安全保障をめぐって日本の役割の拡大を望む米国は前向きな姿勢を示している。
韓国は日本の右傾化や軍事大国化を懸念し、集団的自衛権の行使に批判的な見解を示している。
結果的に、米国側ではなく中国側に付いているように思われている。
だが、中国が一方的に防空識別圏を設定し、韓国は不意打ちを食らった。
ソウル大学国際大学院のパク・チョルヒ教授は
「韓国と日本の関係が悪化し、韓米日三角同盟の一方の軸が崩壊することは、中国の戦略的な利益につながる。
ともすれば、韓国が中国の北東アジア戦略に巻き込まれかねない」
と懸念している。
』
_