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朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/20 08:07
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/20/2014012000416.html
「国際的な恥」 ポスコ一貫製鉄所、稼動2日で全面停止
工期短縮が原因か
韓国の鉄鋼最大手、ポスコがインドネシアに東南アジアで初めて建設した大型一貫製鉄所が、稼働開始から2日で故障し、3週間以上も全面操業停止に陥っていることが19日までに分かった。
ポスコが2010年10月からインドネシア国営企業のクラカタウ・スチールと合弁で総額30億ドル(現在のレートで約3100億円)を投じて建設したこの製鉄所は、ポスコにとって海外で運営する初の一貫製鉄所でもある。ポスコの出資比率は70%。
一貫製鉄所とは、高炉で鉄鉱石と有煙炭を溶かし、これに高い圧力を加えて自動車や船舶などの材料となる鉄鋼材を生産する製鉄所を指す。
韓国政府と複数の鉄鋼業界関係者は19日「ポスコはインドネシア・チレゴンに建設した工場で先月23日に火入れ式を行ったが、稼動2日で高炉から溶解液が漏れ出す事故が発生し、稼動を全面的に停止している」と明らかにした。火入れ式にはポスコの鄭俊陽(チョン・ジュンヤン)会長とインドネシアのユドヨノ大統領など両国の関係者約500人が出席。製鉄所の生産能力はスラブが年180万トン、厚板が120万トンとされている。
現地企業との合弁で建設した大型製鉄所が稼働を全面的に停止したことについて、業界関係者の間では「異例の大型事故」「国際的な恥」との声が上がっている。関係者らは「今回の故障でインドネシア現地の原料供給、販売予約などが相次いでストップし、これに伴う損失も膨大な額に上ると聞いている」と語った。
現地に進出している韓国系企業のある役員は「ポスコが無理に工期を短縮したことで、あってはならない事故が起きたようだ。現地ではさまざまなうわさが流れている」と述べた。
鉄鋼業界の関係者は「一度故障した高炉が全面的に再稼働するには、通常3カ月ほどかかる。ひとまず今月23日に再稼働を予定している」と語った。ポスコの関係者はこれについて「一部設備には問題があるが、現在正常化に向けて作業している」とコメントした。
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朝鮮日報 記事入力 : 2014/01/21 09:00
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/01/21/2014012100647.html
退職者の利権争いが生んだ「韓国鉄鋼史上初」のトラブル
ポスコのインドネシア製鉄所、今月中の再稼働に黄信号
韓国鉄鋼大手ポスコが海外で初の一貫製鉄所として開設したインドネシアの製鉄所が先月23日に火入れ式を終えたにもかかわらず、正常な稼働に入れずにいることが20日までに分かった。
ポスコが誇ってきた生産管理体制に赤信号がともった格好だ。
稼働開始が遅れているのは、インドネシア国営のクラカタウ・スチールと合弁で設立した合弁会社「クラカタウ・ポスコ」がバンテン州チレゴンに建設した年産300万トンの製鉄所。
製鉄所では通常、火入れ式から24時間で銑鉄(せんてつ)を産出する。
しかし、ポスコの複数の関係者によると、インドネシアの製鉄所で銑鉄が産出したのは、火入れ式から5日後の先月28日だったという。
その後、今月1日には製鉄所内の高炉から銑鉄が出てくる出銑口(しゅっせんこう)に亀裂が生じ、銑鉄が流出する事故が起き、6日まで稼働が全面的に中断された。
火入れ式にはインドネシアのユドヨノ大統領も出席した。
業界関係者は
「世界的企業であるポスコの場合、これほどの事故が起きたならば、投資家向けの資料を作成し、積極的に説明すべきだ」
と指摘した。
ポスコが事実関係を隠している間、うわさは拡大した。
ポスコは本紙が20日付紙面で報じて以降も説明を行っていない。
■事実を隠すポスコ
ポスコは本紙による報道直後の20日朝、今月7日に修理を終え、高炉を再稼働し、正常に銑鉄を産出しているとし、トラブルについては
「製鉄所が最初に稼働する際には、さまざまな問題が生じる可能性があり、それを解決する過程の一つだ」
と説明した。
しかし、韓国政府と業界関係者の証言は異なる。
ポスコのある幹部は
「現在は高炉の3分の1程度が稼働しているレベルだ。
正常稼働は早くて今月末、遅くとも来月初めになる」
と述べた。
証言通りならば、今月7日の緊急復旧後も事実上の操業中断状態が続いていることになる。
産業通商資源部(省に相当)の幹部は
「実態を把握したところ、今月末の時点でも正常稼働は難しいかもしれない」
と語った。
本紙の取材によると、故障の原因は高炉内部の耐火壁に亀裂が生じ、銑鉄が流出したことだという。
鉄鋼専門家は
「耐火壁に問題が生じれば、高炉を空にして修理を行う必要があり、少なくとも修理に1カ月以上かかる」
と指摘した。
当面の正常稼働目標となっている23日に間に合うかどうかは不透明だ。
業界からは
「火入れ式の直後に銑鉄が生産できず、高炉の稼働を全面中断したのは、韓国の鉄鋼史上初めてだ」
との指摘が聞かれる。
インドネシア製鉄所での事故は、予見されていたようなものだとする指摘が出ている。
ポスコは2000年代に入り、「ファイネックス工法」に象徴される技術力で世界的な水準に達したと自負してきた。
しかし、ポスコの退職者を中心に利権争いが相次ぎ、組織のたがが緩んだとされている。
こうした状況で、十分な現地市場調査や正確な需要予測など綿密な準備を行わず、海外進出を強行したため、問題はいつ起きてもおかしくない状況だった。
ポスコの事情に詳しい関係者は
「インドネシアの製鉄所を稼働すれば、年間1000億ウォン台の赤字が出るという内容の報告書が2-3年前に示されたが、昨年には数百億ウォンの黒字が見込めるとの正反対の報告書が配布され驚いた」
と振り返った。
ポスコがインドのオリッサ州に120億ドル(約1兆2500億円)を投資して進められている一貫製鉄所プロジェクトも見通しが暗い。
ポスコは2005年にオリッサ州政府と製鉄所の建設に向けた覚書を交わしたが、地元住民の反対などで、着工すらできず、当局との対立で住民4人が死亡した。
同プロジェクトは、最近の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領のインド訪問をきっかけとして、インド政府が協力を約束し、ようやく打開の兆しが見え始めたが、建設に成功しても、鉄鋼の供給過剰を深刻化させることになり、ポスコは進退両難の立場にある。
韓国製の鉄鋼を現地で加工し、東南アジアに輸出することを目的として設置されたベトナム冷延工場(年産120万トン)も失敗事例に数えられる。
世界的な景気低迷などで、現地での販売条件が悪化したため、韓国製よりも格安の中国製熱演鋼板を輸入し、現地で冷延鋼板へと加工した上で、韓国に輸入している。
海外で生産した鋼板を韓国に逆輸入するのは、当初の計画とは真逆であり、韓国鉄鋼業界の苦境を増幅させている。
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