2013年12月1日日曜日

「おばさん外交」の終焉:韓国の感情的対応で、米中日の全てから信頼を失う

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レコードチャイナ 配信日時:2013年12月1日 14時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79879&type=0

韓国が態度転換、TPP加盟に積極姿勢=日本との交渉を希望―中国メディア

 2013年11月30日、人民網は記事
 「韓国、TPPに対する冷淡な態度から一転=日本との単独交渉を希望」
を掲載した。

 韓国の玄オ錫(ヒョン・オソク)経済副首相、企画財政部長官は29日、環太平洋連携協定(TPP)交渉に参入するかどうかを決めるために日本などTPP交渉参加国と協議する計画を明らかにした。

 韓国はこれまでTPPのような多国間の枠組ではなく、米韓自由貿易協定(FTA)のような二国間協定を重視してきた。
  加盟を前提にしたものではないと釘を刺しているものの、TPPに冷淡だった韓国の態度が変わったことは間違いない。

 ただし交渉加入には日本や米国、オーストラリアなど12カ国の交渉国の同意を取り付ける必要がある。



聨合ニュース 2013/12/01 15:42 KST
http://japanese.yonhapnews.co.kr/pgm/9810000000.html?cid=AJP20131201001200882

韓国の「TPP関心表明」 時すでに遅し?=じり貧も

【ワシントン聯合ニュース】韓国政府が先月29日に環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加する意欲を示したことに対し、すでにタイミングを逸したとの声が上がっている。

   米通商代表部(USTR)のフロマン代表は29日(米東部時間)、韓国がTPP交渉参加に「関心」を示したことに関し、
 「韓国は地域経済で重要な役割を果たしており、歓迎する」
との談話を発表した。

   その一方で韓国の交渉参加の時期については、韓国政府が希望すればいつでも交渉できるという状況でないことも明確にした。

   フロマン代表は、オバマ米大統領を含むTPP交渉参加国のリーダーと各国の交渉団は現在、妥結に向け詰めの交渉を全力で行っていると述べた上で、どの国であれ新たに交渉に加わるためには各国と2国間協議を実施し、相手国やその国の議会などは手続きを踏まなければならないと指摘。
 「新たな交渉参加国は現交渉国の合意を得た後に参加できる」
と断言した。

   韓国は参加の公式表明さえしていない段階なので、今後、国内の手続きを踏んでから参加国の承認を得なければならない。
 日本は2011年11月に交渉参加を宣言し、今年の4月に参加国に承認されるまで1年半近くかかった。

   ワシントンの消息筋は、
 「年内妥結を目指す米国が途中での交渉参加は物理的に難しいということを示した」
と解説する。

   実際にTPP交渉が年内に妥結するのは難しいとの見方が多いが、交渉をリードし成果を出すことを急ぐ米国は妥結時期を来年の3月や6月に設定するとみられる。
 いずれにせよ、韓国が途中から交渉に参加するのは容易でない。

   ワシントン在住の別の消息筋は、韓国にとって最悪のケースとして
 「交渉から排除され、韓国の立場がほとんど反映されないまま、ほかの参加国が合意した結果を受け入れるか拒否するかの二者択一を迫られること」
と指摘した。



聨合ニュース 2013/12/01 16:58 KST
http://japanese.yonhapnews.co.kr/pgm/9810000000.html?cid=AJP20131201001400882

韓国 TPP予備協議開始へ=WTO閣僚会議で

【ソウル聯合ニュース】環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加する意欲を示した韓国が3~6日にインドネシア・バリ島で開かれる世界貿易機関(WTO)の公式閣僚会議で2国間予備協議の手続きを本格化する。

   予備協議とはTPP交渉に参加している12カ国を対象に具体的な交渉参加条件などを確認する手続き。韓国政府は予備協議でメリット・デメリットを綿密に判断し、参加するかどうかを正式に決定する。

   TPP交渉参加までには▼2国間の予備協議▼参加宣言▼2国間の公式協議▼参加国の承認――のプロセスを経る。

   産業通商資源部の尹相直(ユン・サンジク)長官をはじめ、通商分野の高官らが大勢参加し、関連情報を最大限確保する予定。
 ただ、韓国が保有している交渉関連情報が限られているため、実質的な協議は厳しいとみられる。

   韓国政府は年内に参加するかどうかを決める方針だが、予備協議で問題が生じた場合、来年に持ち越される可能性もある。

   産業通商資源部関係者は「参加をめぐる決定の時期は決めていない。
 産業別の影響分析などさまざまな状況を考慮せざるを得ず、立場を決めるのにやや時間がかかるかもしれない」とコメントした。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/02 11:02
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/02/2013120201246.html

米中摩擦激化で韓国の3大外交政策に暗雲

 中国による一方的な防空識別圏設定に端を発した米中の摩擦が深刻化すれば、韓半島(朝鮮半島)信頼プロセス、北東アジア平和協力構想、ユーラシア・イニシアチブという朴槿恵(パク・クンヘ)政権が掲げる三つの外交政策が全て壁にぶつかるとの懸念が強まっている。
 誠信女子大学の金興圭(キム・フンギュ)教授は
 「2014年は韓国の外交にとって挑戦の年になるだろう。
 米国、中国、日本、北朝鮮という四つの波が押し寄せてきている状況だ」
と語った。

■韓半島信頼プロセス

 朴大統領は就任前から「北朝鮮が挑発するたびに見返りを与える」という悪循環を断つとし、韓半島信頼プロセスを提唱していた。
 韓半島の緊張緩和などに向け、韓米中の協力を土台に北朝鮮と対話し、圧力をかけるというのが政策の柱だ。

 中国は当初、韓米同盟を警戒していたが、北朝鮮による3回目の核実験(2月)を機に積極的に応じる姿勢を示すようになった。
 習近平国家主席が6月に韓半島信頼プロセスへの支持を表明したほか、9月には北朝鮮への輸出規制品目を公表するなど、北朝鮮に圧力をかける動きに賛同してきた。
 韓国外交部(省に相当)の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官は
 「中国が北朝鮮を戦略的な資産ではなく負債と認識し始めた」
と評していた。

 専門家らは、米中の前例のない協力関係が韓半島信頼プロセスの追い風になっていたと指摘する。
 オバマ米大統領と習近平国家主席は6月に行った初の首脳会談で「新型大国関係」としての最初の協力対象に北朝鮮核問題を挙げた。
 だが韓国政府周辺では、米中の間で不信感が強まれば北朝鮮核問題をめぐる韓米中の協力に亀裂が生じるとの見方が多い。
 峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は
 「米中が互いに強い不信感を持っている状態では、北朝鮮に十分な圧力をかけることはできない。
 来年は韓半島信頼プロセスの進展は難しいだろう」
と話している。

 米日が中国への圧力を本格化させれば、中国が再び北朝鮮を戦略的な資産と見なすようになる、との懸念もある。

■北東アジア平和協力構想

 北東アジア諸国の間で、経済的な依存度が高まっている一方、政治や安全保障面では対立が強まっているという「アジア・パラドックス」を克服するため、朴大統領は気候変動など非政治的な分野から協力を進める北東アジア平和協力構想を提唱しているが、これも難航する公算が大きい。
 朴大統領は、アジア・パラドックスの原因を作っているのは日本だとし、韓日首脳会談も先送りして歴史問題に対する姿勢を変えるよう求めている。
 だが、米日と中国の間で緊張が高まれば、米国が「同盟」を強調して韓国に積極的な安全保障協力を求めてくる可能性もある。

 ソウルの外交筋は
 「中国が挑発し米日が団結すれば、米国が韓日関係の改善を強く迫ってくることも考えられる」
と話している。

■ユーラシア・イニシアチブ

 朴大統領は10月、ユーラシアでエネルギーや物流事業を進め、経済協力を深めるというユーラシア・イニシアチブを発表した。
 だが、北朝鮮問題に対する米中の協力が揺らげば、ユーラシア・イニシアチブの中核事業の一つとなる韓国、北朝鮮、ロシアによる共同事業も安定的に進められなくなる。
 朴大統領も、北朝鮮核問題の解決をユーラシア・イニシアチブの重要な条件に挙げている。

 韓国政府の関係者は
 「尹炳世長官も近ごろさまざまな会議で『危機意識』を強調しているようだ」
と話している。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/02 10:50
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/02/2013120201186.html

「韓国が目指すバランサー外交、米中対立下では実現困難」
「新二極体制での韓国の選択」について専門家の提案は
集団的自衛権と防空識別圏に韓国は感情的に対応、
米中日の全てから信頼を失う
誰も異議を唱えられない国際的なルールや原則に従う姿勢が必要

 このところの日本の集団的自衛権行使に向けた動きとそれに伴う米日同盟の強化、さらにこれに対抗するための中国による防空識別圏(CADIZ)の設定など、北東アジアでの米中両国の覇権争いが本格化する中、韓国もこれらの国々の間で国益を懸けた選択が迫られている。
 第2次世界大戦が終結し、冷戦時代の東西二極体制が崩壊して以降、中国の浮上により今度は
米国と中国による「新二極体制」が形成されつつある
のがその理由だ。
 韓半島(朝鮮半島)を取り巻く現在の状況については、かつての中国の明・清交代期、あるいは旧韓末(朝鮮王朝時代末期)にも匹敵する大きな変化の時代になぞらえる見方もある。

 ソウル大学政治外交学部の鄭在浩(チョン・ジェホ)教授は
 「わが国が置かれた立場は(米中の間で)サンドイッチのようになりつつある
とした上で
 「今後、わが国にとってはさらにジレンマが大きくなるだろうし、これまで追求してきたバランス外交では対応し切れない困難な状況に直面するだろう」
と予想した。

 専門家の多くはまず伝統的な韓米日三角同盟への復帰を急ぐよう提言している。
 峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は
 「米中の双方とうまくやっていくのは限界がある。
 米国を通じて中国をけん制する『以米制中』にむしろ力を入れねばならない」
と述べ、さらに
 「大きなチャイナ・フィア(中国への恐怖心)を抱く一方で、中国が最後まで韓国に良くしてくれると期待するのは錯覚だ
と主張した。
 かつて政府で外交安全保障政策を担当したある元官僚は
★.「中国は覇権競争に乗り出しており、今後も(防空識別圏問題のような)『挑発』を続けてくるだろう
★.「韓国政府としては日本と米国の衰退を放置するのは良くない。
 とりわけ中国に対する日本のけん制力を生かしておく必要がある
と提案する。

 一方で中国との関係にもっと力を入れるべきとする意見もある。
 民間のシンクタンクに所属するある研究者は
★.「中国は最近の6カ国協議再開問題などで、期待していたほど韓国が支援してくれなかったと考えているようだ」
★.「韓米同盟により生じるアンバランスを修正する姿勢を、もっと中国側に示す必要があるのではないか」
と述べた。

 今後、韓国が米中両国の間でバランスを取るのは一層難しくなる上、この状況は当分続くと予想されるため、何らかの懸案が生じた場合、誰も異議を唱えることができない国際的なルールや原則に基づいて自らの立場を定め、これを守っていくことが望ましいと専門家たちは指摘する。

 西江大学の金英秀(キム・ヨンス)教授は
 「米中の間で右往左往せず交渉力を高めるための方法は、懸案ごとに韓国の立場をまずは確実に提示することだ」
と語る。
 韓国は最近の日本による集団的自衛権行使の問題や中国の防空識別圏問題などに対し、かなり感情的に対応してしまった。
 そのため米国、中国、日本の全てから信頼を失いつつあるというのだ。

 国立外交院の尹徳敏(ユン・ドクミン)院長は
★.「米中の間にはさまざまな対話ルートがあり、また経済など多くの分野で相互依存関係が確立されている」
★.「米国は『沈む太陽』で中国は『浮上する太陽』などと単純化し、どちらかを選択するという考えは望ましくない
と主張した。


 韓国はこれから「おばさん外交のツケ」を支払らわねばならない局面に入っていく。
 平常ならおばさん外交はニュースネタ、あるいは週刊誌面を賑わすのに面白いかもしれない。
 隣人の悪口を町内におしゃべりして溜飲を下げるのもいいかもしれない。
 しかし、有事にはほとんど無用になる。
 それだけではなく、町内から「あいつはおしゃべりだから」と信用を失っていく。
 天にツバして、それが落ちてきている。


レコードチャイナ 配信日時:2013年12月3日 7時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=79933&type=0

安全は米国頼み、経済は中国頼み、板ばさみで苦悩する韓国―韓国紙


●29日、安全は米国に頼り、経済は中国に頼っている韓国にとって、中国の防空識別圏設定をめぐって対立する米中両国は大きな悩みの種になっている。写真は中国人民解放軍の北海艦隊。

 2013年11月29日、朝鮮日報(中国語電子版)は、安全は米国に頼り、経済は中国に頼っている韓国にとって、中国の防空識別圏設定をめぐって対立する米中両国が大きな悩みの種になっていると伝えた。

 2010年夏、韓国は米軍との大規模軍事演習を黄海で行う予定だった。
 黄海上で韓国海軍哨戒艦「天安」が爆発し沈没した事件に対する北朝鮮への対抗策とみられていたが、中国側の猛烈な抗議に遭い、演習地点を黄海から東シナ海に変更することになった。
 中国はもともと、日米韓3国の安全同盟を事実上の「中国封じ込め策」ではないかと疑っていた。このため、韓国は常に安全同盟に対し、極めて慎重な態度をとり続けていた。
 米国側は日米韓合同軍事演習を韓国側にたびたび打診しているが、韓国側が参加するのは海難救援訓練レベルだ。
 もし、米中両国の対立がさらに深まれば、韓国は厳しい選択を迫られることになる。

 10月に行われた米韓合同軍事演習では、米空母「ジョージ・ワシントン」も参加した。
 しかし、中国は初の空母「遼寧」を、黄海を管轄する山東省青島の北海艦隊に配置する予定であり、米空母が黄海に入ることに強い不快感を示している。

 一方で、韓国は北朝鮮をけん制する目的で中国との軍事交流や協力を積極的に展開している。
 中韓両国の軍事協力がさらに進めば、米国は神経質になるはずだ。
 日本の集団的自衛権についても、米国がこれを中国への抑止力として積極的に賛同しているのに対し、中国は猛反対。
 韓国政府も日本への警戒心を強めている。

 また、韓国は米国のミサイル防衛(MD)システムに入らず、独自の韓国型ミサイル防衛システムの構築を進めようとしている。
 これに対し米国は「韓国の態度はあいまいだ」として不満の意を示し、白ニョン島(ペンニョンド)にTHAADのXバンドレーダーを設置するよう、韓国政府に働きかけをしている。



朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/02 20:25
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/02/2013120203811.html

【寄稿記事ナナメ読み】米中を従え国益を最大化させよ

 日本の集団的自衛権行使の問題をはじめ、目まぐるしく動く北東アジア情勢。韓国の外交政策について中国・東華大学の韓国人教授ウ・スグンさんの寄稿記事が11月4日付の毎日経済新聞に掲載されました。

【寄稿記事原文リンクはこちらから】

 ウ教授は米国について
 「韓国への戦時作戦統制権移管を再延期し、日本の集団的自衛権行使について韓国政府から事実上の同意を得たのは、北東アジアにおける米国の最大課題『中国封鎖』への足掛かり」
と言います。

 日本については
 「日米同盟の強化や集団的自衛権行使で米国から全面的支持を得た。
 しかも、集団的自衛権行使では韓国の『黙認』も得た。
 このため、侵略という『原罪』で不安をあおってきた中国に対し『保護膜』を強化している」
と評しています。

 中国についても
 「日米同盟強化など全方位的な米国の攻勢に対抗し、習近平国家主席や李克強首相が東南アジア各国を訪問したり、ロシアやインドの首相を招待したりと周辺国との関係を強化している。
 韓国は寂しさも感じるが、自国の国益を最大化するためだ」
と分析します。

 一方の韓国については
 「日本の集団的自衛権行使で米国から『むなしい』結論を言い渡された。
 日本には歴史認識や独島(日本名・竹島)に関する挑発的言動で振り回され、集団的自衛権行使を認めてしまうという惨たんたる状況。
 中国とはやっとのことで築いた蜜月関係に亀裂が入るのではとヒヤヒヤしている」
と嘆いています。

 そして、今後の韓国の外交について
 「小学生のようだった20世紀の時とは違い、21世紀の韓国は大学生並みの体格になった。
 それだけ韓国の立場は強まっているのだから、それに見合った外交を展開すべきだ。
 米中両国を韓国の『左に青龍、右に白虎(東西を守る神獣)』にし
 韓国の国益を最大限にするため21世紀に見合った外交的座標を作らねば
と提案しています。

 バランサーとしてではなく、米中を従える韓国外交の展開を訴えるウ教授。
 本稿は中国が防空識別圏設定を発表する約3週間前に掲載されたものですが、ウ教授が本稿の主張を今後も維持できるか、見守りたいです。

朝鮮日報日本語版


 おばさん外交も面白いが、この教授の発想もけたたましくズレている。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/12/14 12:12
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/12/14/2013121400769.html

TPP:米国「交渉は最終段階、韓国は参加困難」
米通商代表部次席代表代行「韓国、設立メンバーとしての参加難しい」
「貿易戦争で主流に入れず…後で『入場料』取られる羽目に?」

 米国を中心とする12カ国が進めている「環太平洋経済連携協定(TPP)」交渉で、韓国が設立メンバーとして参加するのは難しいことが分かった。
 このため
 「韓国が世界最大規模の自由貿易協定(FTA)ともいえるTPPで主導権を握れないことになれば、貿易戦争時代で主流に入れなくなるのでは」
と懸念する声も上がっている。

 12日(現地時間)、ワシントンにある米戦略国際問題研究所(CSIS)で「韓国のTPP参加」をテーマにセミナーが開かれ、米通商代表部(USTR)のウェンディ・カトラー次席代表代行が
 「現在の12カ国が進めているTPP交渉は事実上『エンドゲーム(end game=最終段階)。
 現在進行中の交渉に韓国を含む新たな国を参加させることは非常に難しい」
と述べた。
 そして
 「米国が韓国との2国間交渉を速やかにまとめ上げても、交渉が終結する90日前に議会に告知するなど事前手続きを踏まなければならない。
 現在のタイムテーブルを見ると、新たな国が交渉に参加するのは非常に困難な状況だ」
と説明した。

■米国は早急なTPP妥結を希望

 韓国政府が初めてTPPに対し関心を示したのは先月29日。
 2005年に交渉が始まってから8年目のことだ。
 それまで政府はTPP交渉の実益は大きくないと判断、韓米FTA、韓・EU(欧州連合)FTAに続く韓中FTA交渉を最優先課題としてきた。
 政府の見解が変わった決定打は、今年になって日本がTPP交渉に参加したことだった。
 TPPがこのまま発足すれば、米国主導のTPPに日本が参加し、韓国が享受してきFTA先占効果への打撃は避けられないからだ。

 米国はTPP、中国は東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国+韓中日の「東アジア包括的経済連携協定(RCEP)」を武器に、グローバル市場での影響力拡大を図っている。
 特に米国にとっては自国主導のTPPへの韓国参加は歓迎すべきことのはずだが、
 なぜ設立メンバーに入れるのは難しいと言っているのだろうか。
 現在G2(米中)は自由貿易を通じてパワーゲームを繰り広げている。
 専門家らは、米国が何よりもTPPを早急に実現させることを重視しているためだと分析する。
 オバマ大統領は来年11月、上院・下院の中間選挙を控えている。
 選挙に先立ち「オバマによる経済振興政策」を成功させようとしているのだ。
 ソウル大学のアン・ドックン教授は
 「USTRは今年初めから韓国の参入をさほど歓迎していなかった。
 韓国に反対しているのではなく、ひとまず発足させた後に入ってきてほしいというのがUSTRの考えだ」
と話す。

■一足遅れの参加なら「入場料」の覚悟を

 政府や一部専門家の間では「米国が原則的な見解を示したもの」という反応もある。
 対外経済政策研究院のキム・ヨングィ地域通商チーム長は
 「米国の見解は『TPPは来年上半期までに妥結する可能性が高いが、韓国が今入ってきたら複雑になる』という原論的表現と受け取れる。 
 韓国としても、設立メンバーになるかどうかが重要なのではなく、時間をかけて国益をじっくりと考えるべきだ」
と語った。

 だが、懸念も少なくない。
 設立メンバーになれば、日本のように協定の細かい状況を調整できるというメリットがある。
 しかし、一足遅れで協定に参加することになれば、先に参加している国から「入場料」を取られるのでは、という懸念だ。
 事実、カトラー次席代表代行は
 「特に韓国はTPP参加に先立ち、韓米FTA履行に関連する懸念事項を解決しなければならない。
 韓米FTA履行に関連して韓国側が解決すべき課題には、原産地表示問題・金融サービス分野の資料共有・自動車分野の非関税障壁・オーガニック製品の認証問題などがある」
と述べた。
 産業研究院のキム・スドン研究委員は
 「日本がTPPに参加しているため、韓国も結局は参加せざるを得なくなるが、設立メンバーに入れなければ交渉による利益は目減りするだろう」
と語った。




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